スマホ脳 (アンデシュ・ハンセン著)に見る、デジタル社会における知的能力の向上策とは?
「スマホ脳」
デジタル社会が健康にどのような影響を与えているかを問うた本です。
最近、集中できなくなった?
運動しなくなった?
ストレスを感じる?
睡眠が乱れている?
これらは、スマホに代表されるデジタル社会に原因があるようです。
「人間の脳はデジタル社会に適応していない」という本書の内容ですが、
個人的には、ある意味 ”ほっ” としています。
◇1◇ 情報の洪水と言われる現在、マルチタスク(ながら作業)が必然的に要求されている
「人間はマルチタスクは苦手だ。得意だという人は自分をだましているだけ。」アール・ミラー(MIT教授)
私たち人間は本来一度に一つのことにしか集中できないが、危険察知のため集中力を分散させるように脳が仕向けているという。
さらにマルチタスクをこなしていると、ドーパミンという神経伝達物質が放出され、気分が良くなるように私たちはできている(脳の働きへの報酬)。
そのせいで、私たちのエネルギーはどんどんスマホに吸い込まれていってしまう!
◇2◇ 集中した作業中に、電話やメールの対応をすると3倍間違えるという結果が出ている
マルチタスクの連続で 、脳の作業記憶領域が劣っていくという。
つまり、常に気が散っている状態になっている!
◇3◇ 複雑な記憶のシステムが情報の洪水でどれだけ影響を受けているかは正確には分かっていない
ただし、集中しないと長期記憶は作れない!
◇4◇ 「脳は体を動かすためにできている。」マイケル・ガザニガ(カリフォルニア大学教授)
すべての知的能力は、運動によって機能を向上させる
→ 集中できる 記憶力が高まる ストレスに強くなる のは運動から。
これこそ、情報の洪水でおぼれないための対抗策!!
さらに、ストレス予防にはきつめのトレーニングが効果的!とのこと。
余談ですが、ロンドンのタクシー運転手試験(*)に合格した人の脳の記憶中枢「海馬」は成長して大きくなっているという!
(*)面接、筆記試験等があり、ロンドンの巨大かつ複雑な道路網(憶えるべき通りは2万5千本)、多くのランドマークを憶えなければならないとても大変な試験!
そういえば、GPSナビに頼るようになった昨今、道を憶えなくなた(憶えられなくなった)気がします。
ドーパミンによって悦に入り、「楽をしようとする」脳は次第に衰えていきます!
運動、睡眠、適度なストレス、そして集中する時間を取り戻すため、スマホから手を放す選択も必要ではないでしょうか?
実験内容等さらに詳しくは下記著書をご覧ください。
「スマホ脳」 アンデシュ・ハンセン著(スウェーデン精神科医) 新潮新書
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