忘れたいことはどうして忘れられないのだろう?
記憶力のある人がうらやましい。記憶したいことがなかなか憶えられない。
年々そう思うことが増えてきている。
反対に、忘れたいことはいつまでも憶えている ・ ・ ・ 。
失敗したことや深く傷ついたことはさっさと忘れてしまいたいもの。
でも、気に掛ければ気に掛けるほど、益々鮮明な記憶として残ってしまう。
時間が解決するとはいうものの、努力して忘れることはできないのでしょうか?
〇忘れたい記憶が忘れられないのは?
テスト前などに、憶えたいことを何度も何度も口にしたり、繰り返しノートに書いたりした経験は多くの人が持っていることでしょう。
忘れたい記憶が忘れられないのは、気にするあまり、幾度となく思い出したり考えたりすることで、記憶が定着してしまうからです。
人は本来忘れる動物で、心理学者ヘルマン・エビングハウス(1850-1909 ドイツの心理学者)の忘却曲線によれば、20分経つと約40%、1日経つと約70%を忘れていくのだといいます。
ところが日々思い返したり(学んだことを)復習すると、忘れる割合が減っていくので、記憶として定着していくというのです。
何かを学習する場合はこれで良く、復習が大事なんだよということになるのですが、嫌な出来事を意識的に忘れたい場合は事情が異なってきます。
忘れたいと思って思い出すことが、結局記憶の定着作業につながってしまうからです。
〇忘れたいことは「気にしないこと」、「思い出さないこと」がズバリ解決方法!
でも、気になって勝手に思い出されるものをどうすればいいの?
そこの神経回路だけ切ることができるの?
ということになってしまいますが、まったくその通りです。
でも、記憶を薄れさせる、気に掛けにくくすることは可能です。
誰もが経験的にやっていることです。
(トラウマほどになると専門的処置が必要でしょうが)
〇方法は実は簡単。4つ挙げてみましょう。
1.脳を忙しくする
ふと思い出してしまうのは脳に暇を与えているから。
脳に暇を与えなければ思い出す機会も減るはず。
趣味でも勉強でも何か頭を使う(忘れたいこととは)違った対象に注意を注ぐ。
そして新しい情報が入ってくれば、古い記憶は記憶の底に沈んでいくという寸法です。
2. 声を出す
会話したり歌ったりして声を出すことも、新しいこと(記憶の外)に注意が向いて気持ちが軽くなります。ここでは自分と向き合わないことです。
これは経験上、緊張をほぐしたいときにも有効です。
3.悲観的なことを考えない
悲観的なことを考えると、連鎖的に嫌な過去が思い出されるリスクがあります。悪いニュースは排除することはできなくても、四六時中浸らないことが、精神衛生上も好ましいことです。一般的にも。
意識的に楽しいことを考えたり、行っていくと脳内の状態も良くなるといわれています。
4.前向きな気分のまま眠る
睡眠は、記憶を定着させるなど脳をリセットする働きがあります。
寝る前に頭に入った情報は、寝ている間に記憶として定着していきます。
したがって、寝る前には反省はしても、必ず「明日はこうしよう、そうすればいい結果になる」とイメージして眠ることが大切です。
そうすればよりよく眠れるし、寝起きもいい。
だから、いい一日のスタートが切れる。
いいスタートは、いい結果をもたらす。 ハズ
最後に ・ ・ ・
きっと、身体(命)を守るために嫌な記憶は忘れにくいようにできているのでしょうが、必要以上に引きずられるのも好ましくないです。
人間は忘れる動物。
それをうまく利用して、明日はよくなると信じて、明日を生きよう!
もちろん相応の努力も必要ですけど。